Wi-Fiテザリングができない原因
Wi-Fiテザリングができない原因はスマホ側の問題と、接続先の機器に問題がある場合に分けられます。スマホ側に問題がないのに接続ができない時は、接続先の設定も確認しましょう。
スマホ側の原因と解決法
- 通信量の上限に達している
- テザリングの接続数上限を超えている
- 「Wi-Fiテザリング」設定がオフになっている
- テザリングに必要なパスワードが間違っている
スマホ側の原因１
通信量の上限に達している
多くの携帯電話会社では、テザリング利用時に利用できるデータ容量が設けられており、その上限に達するとテザリングができなくなります。プランによって上限値は異なりますが、例えば以下のようなプランがあります。
| キャリア | プラン | データ容量 | テザリングの申し込み |
|---|---|---|---|
| ドコモ | eximo（7,315円/月） | 無制限 | 不要 |
| ahamo（2,970円/月） | 20GB | ||
| au | データ使い放題プラン（7,238円/月） | 無制限 | 必要 |
| povo（2,700円/月） | 20GB | ||
| ソフトバンク | メリハリ無制限（7,425円/月） | 無制限 | 必要 |
| ミニフィットプラン（5,478円/月） | 3GB | ||
| 楽天モバイル | rakuten最強プラン（3,278円/月） | 無制限 | 不要 |
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スマホ側の原因２
テザリングの接続数上限を超えている
スマートフォンの機種やキャリアによっては、同時に接続できるデバイスの数に制限があります。この制限を超えると、新たなデバイスは接続できなくなるため、接続するデバイスを把握しておくことが重要です。
- iPhoneの場合: 最大5台まで同時接続が可能です。たとえば、1台のiPhoneを親機にして、他のスマホ2台、タブレット2台、ゲーム機1台の計5台を同時にインターネットに接続できます。
- Androidの場合: Wi-Fiによるテザリングだと最大10台まで接続できるケースが多いです。さらに、機種によってはWi-Fi以外の接続方法（USBやBluetooth）を併用できるケースもあり、同時接続台数が増えることがあります。
スマホ側の原因３
「Wi-Fiテザリング」設定がオフになっている
Wi-FiテザリングはスマホがWi-Fiアクセスポイントとして機能するための設定であり、この設定がオフになっていると他のデバイスはスマホのWi-Fiネットワークを検出できず、接続することもできません。
テザリングをONにする方法
Android
- ホーム画面から「設定」をタップ
- 「 ネットワークとインターネット」をタップ
- 「 テザリング」をタップ
- Wi-Fiテザリングをオンにする
iPhone
- ホーム画面から「設定」をタップ
- 「モバイル通信」 > 「インターネット共有」をタップ。
- 「ほかの人の接続を許可」を （オン）に切り替え、設定完了。
スマホ側の原因４
テザリングに必要なパスワードが間違っている
テザリングする際は親機に設定しているパスワードの入力が必要です。パスワードが間違っていればテザリングできません。
テザリングに必要なパスワードは、AndroidとiPhoneそれぞれ以下の方法で確認ができます。
Android
- 設定アプリを開く
- 「ネットワークとインターネット」をタップする
- 「アクセスポイントとテザリング」をタップする
- 次の画面にパスワードが記載されているので確認する
- 完了
iPhone
- 設定アプリを開く
- 「モバイル通信」もしくは「モバイルデータ通信」をタップする
- 「インターネット共有」をタップする
- 「Wi-Fiのパスワード」欄にパスワードが記載されているので確認する
- 完了
接続先の原因と解決法
- 他の機器による電波干渉
- Wi-FiテザリングのSSIDとパスワードが間違っている
- Wi-Fi通信規格が一致していない
- デバイス側がスマホの暗号化方式に対応していない
接続先の原因１
他の機器による電波干渉
電波干渉とは、同じ周波数帯域を使用する複数の機器が相互に影響を与える現象です。これにより、通信速度の低下や接続の途切れが発生します。
Wi-Fiは主に2.4GHzと5GHzの周波数帯域を使用します。特に2.4GHz帯は、他の無線機器（Bluetooth機器、電子レンジ、ワイヤレスマウス、キーボードなど）も使用するため混雑しやすく、干渉が発生しやすいです。
対策１ 周囲の電波干渉源を減らす
Bluetooth機器の利用を控える：Bluetoothは2.4GHz帯を使用するため、テザリング時に干渉する可能性があります。必要ない場合はBluetoothをオフにします。
電子レンジや他の無線機器を避ける：これらの機器も2.4GHz帯を使用することが多いため、テザリングデバイスと接続先デバイスをこれらの機器から遠ざけます。
対策2 デバイスの位置を調整する
スマホを近くに置く：テザリングを提供するスマートフォンと接続するデバイスをできるだけ近くに置きます。これにより信号が強くなり、干渉の影響が減少します。
障害物を避ける：デバイス間に壁や大型の金属物があると信号が弱くなります。可能な限り、直線的な見通しの良い場所に配置します。
接続先の原因２
Wi-FiテザリングのSSIDとパスワードが間違っている
SSID（Service Set Identifier）は、Wi-Fiネットワークの識別名です。デバイスが接続を試みるとき、この名前を使用して正しいネットワークを探します。SSIDが間違っていると接続先が見つからないため、テザリング接続は失敗します。
一方、Wi-Fiのパスワードはネットワークへの不正アクセスを防ぐためのセキュリティ手段です。正しいパスワードが入力されない限り、デバイスはネットワークに接続できません。これにより、セキュリティが保たれ、認証されたデバイスのみがネットワークを利用できるようになります。
スマートフォンのSSIDやWi-Fiパスワードの確認方法は、使用しているOS（AndroidまたはiOS）によって異なります。
Androidで確認する方法
SSIDの確認方法
- ホーム画面で設定を開く。
- システムバージョンに応じて「Wi-Fi」または「ネットワークとインターネット」をタップ。
- 利用可能なWi-FiネットワークがSSIDとともに表示されます。
Wi-Fiのパスワードの確認方法
- ホーム画面で設定を開く。
- 「ネットワークとインターネット」から「インターネット」を開く。
- 「接続中のWi-Fi」をタップする。
- 「共有」または「QRコード」をタップするとパスワードが表示されます。
iOS（iPhone）で確認する方法
Wi-Fiのパスワードの確認方法
SSIDは通常、iPhoneの名前に設定されています。「設定」 > 「一般」 > 「情報」 > 「名前」で確認および変更できます。
SSIDの確認方法
- ホーム画面で設定を開く。
- 設定メニューの中から「モバイル通信」をタップ。
- 「インターネット共有」をタップ。
- 「Wi-Fiのパスワード」でパスワードが表示されます。
接続先の原因３
Wi-Fi通信規格が一致していない
スマートフォンと外部機器が対応するWi-Fi通信規格が異なる場合、接続できないことがあります。例えば、スマートフォンが最新のWi-Fi規格（IEEE802.11ac）に対応している場合でも、外部機器が古い規格（IEEE802.11b）しか対応していない場合、接続がうまくいかないことがあります。
これは、異なる規格が通信の方法やデータ転送速度に違いがあるためです。両方の機器が同じWi-Fi通信規格に対応していることを確認することが重要です。製品ページや取扱説明書で、対応しているWi-Fi通信規格を確認してください。
Androidで確認する方法
方法１ AndroidでWi-Fi通信規格を確認する
- 設定アプリを開く。
- ネットワークとインターネットを選択。
- Wi-Fiを選択。
- 接続中のネットワークを確認
- 接続中のWi-Fiネットワーク名の横にある設定アイコン（歯車や ‘i’ マーク）をタップ。
- 「詳細設定」や「ネットワークの詳細」を選択し、詳細情報を確認。
方法２ デバイスのスペックを確認する
- デバイスモデルを確認：
- 「設定」→「デバイス情報」または「端末情報」でモデル名を確認。
- 公式サイトでスペックを確認：
- デバイスのメーカー公式サイトでモデルの技術仕様を検索し、Wi-Fi規格を確認。
方法３ Wi-Fi Analyzerアプリを使用する
- Wi-Fi Analyzerアプリをダウンロード
- Google Playストアから「Wi-Fi Analyzer」をダウンロードしてインストール。
- アプリを起動してWi-Fiネットワークをスキャン
- アプリを起動し、現在接続しているWi-Fiネットワークをスキャン。
- アプリはネットワークの詳細情報（チャネル、信号強度、対応しているWi-Fi規格など）を表示。
iOS（iPhone）で確認する方法
方法１ iPhoneでWi-Fi通信規格を確認する
- 設定アプリを開く。
- Wi-Fiを選択。
- 接続中のネットワークを確認：
- 接続中のWi-Fiネットワーク名の横にある ‘i’ マークをタップ。
- ここでは具体的な通信規格は表示されません。
方法２ iPhoneのWi-Fi通信規格を知るための方法
公式サイトで確認
- iPhoneのモデルを確認：
- 「設定」→「一般」→「情報」でモデル名を確認。
- Apple公式サイトでスペックを確認：
- Appleの公式サイト（AppleデバイスのWi-Fi仕様）でモデルの技術仕様を検索し、Wi-Fi規格を確認。
製品のマニュアルやサポートドキュメントを参照
- 製品マニュアルを確認
- Appleのサポートページや製品マニュアルで、自分のiPhoneモデルのWi-Fi規格を確認。
接続先の原因４
デバイス側がスマホの暗号化方式に対応していない
テザリングは、スマートフォンをモバイルルーターとして使用し、他のデバイス（ラップトップ、タブレットなど）をインターネットに接続します。このとき、スマートフォンはネットワークのセキュリティを確保するために、暗号化方式が使用します。一般的な暗号化方式には以下のようなものがあります。
- WEP：古い方式であり、セキュリティが低いため、現在では使用されていません。
- WPA：WEPの後継で、より高いセキュリティを提供。
- WPA2：現在広く使用されている標準で、AES暗号化を使用して高いセキュリティを提供。
- WPA3：最新の暗号化方式で、さらに強化されたセキュリティを提供。
接続するデバイスが、スマートフォンが提供する上記の暗号化方式に対応していない場合、テザリングができません。その場合、スマートフォン側で暗号化方式を変更することで解決できます。
ただし、iPhoneのテザリング機能では暗号化方式（通常はWPA2）が固定されており、ユーザーが変更することはできません。これはiOSの仕様であり、ユーザーが変更できる項目ではないからです。
AndroidでWi-Fiテザリングの暗号化方式を変更する方法
- ホーム画面の設定を開く。
- ネットワークとインターネットを選択。
- テザリングとポータブルホットスポットを選択。
- Wi-Fiホットスポットを選択。
- セキュリティ設定で暗号化方式を変更（例：WPA2 PSK、WPA3など）。
テザリングできないその他の原因
テザリングがうまくいかない原因は多岐にわたります。スマホや接続先に問題がない場合でも、通信事業者の障害や端末そのものの不具合が原因であることがあります。それぞれの原因を特定し、適切な対策を講じることで、問題を解決することができます。
通信事業者の障害
通信事業者のネットワークが一時的にダウンしている場合やメンテナンス中の場合、テザリングが正常に動作しないことがあります。大規模な障害が発生すると、特定の地域全体で通信が途絶えます。
計画的なメンテナンス作業中には一部のサービスが一時的に停止します。これらの障害は、通信事業者のインフラの問題に起因するため、ユーザー側での対応ができません。
- 通信事業者に状況を確認する
- しばらく待ってから再度試してみる
- 別の場所で試してみる
端末の不具合
端末のソフトウェアやハードウェアの不具合も、テザリングができない原因となります。スマートフォンやタブレットのOSやテザリング機能に関連するソフトウェアにバグが存在する場合、テザリングが正常に動作しません。
また、端末のソフトウェアが古いバージョンの場合、新しいテザリング機能やセキュリティプロトコルに対応できないこともあります。さらに、端末のハードウェアに物理的な故障が発生すると、例えばWi-Fiモジュールや内部アンテナが不具合を起こすと、テザリングが正常に機能しなくなります。
- 端末を再起動する
- 端末の初期化を行う
- 端末のソフトウェアをアップデートする
- 端末の故障の場合は修理または交換を検討する
Wi-Fiテザリングはセキュリティ管理が重要
Wi-Fiテザリングは便利な反面、セキュリティ面でのリスクも伴います。テザリングを安全に利用するために、以下の点に注意しましょう。
- 強固なパスワードを設定する
- フリーWi-Fiを利用する場合はVPNを使用する
- テザリング機能を必要時のみ有効にする
- 信頼できるデバイスのみを接続する
強固なパスワードを設定する
テザリングのSSIDとパスワードは、必ず推測されにくいものに設定しましょう。英数字や記号を組み合わせた複雑なパスワードを設定し、定期的に変更することをおすすめします。
テザリングは無線で接続するため、パスワードが単純だと、悪意のあるユーザーに簡単に侵入されてしまいます。テザリングのSSIDとパスワードは、以下のような点に注意して設定しましょう。
- 英数字、記号を組み合わせる: パスワードは、英数字と記号を組み合わせて、8文字以上にすることをおすすめします。
- 推測しやすい文字列は避ける: 生年月日や住所、電話番号など、推測しやすい文字列は避けてください。
- 定期的に変更する: パスワードは定期的に変更することで、万が一漏洩しても被害を最小限に抑えることができます。
フリーWi-Fiを利用する場合はVPNを使用する
フリーWi-Fiはセキュリティ対策が不十分な場合があるため、悪意のあるユーザーに通信内容を盗み見られたり、端末に侵入されたりするリスクがあります。フリーWi-Fiを利用する場合は、VPN（Virtual Private Network）を利用することで、通信内容を暗号化して安全に利用することができます。
VPNは、インターネット上の通信を暗号化し、仮想のトンネルを通して安全に通信できるようにする仕組みです。具体的には、以下の効果があります。
- 通信内容の暗号化: 通信内容が暗号化されるため、たとえ悪意のあるユーザーが通信を傍受しても、内容を解読することはできません。
- IPアドレスの隠蔽: 本来のIPアドレスが隠蔽されるため、端末の追跡や位置情報特定を防ぐことができます。
- ファイアウォールの強化: VPNサーバーを経由して通信するため、ファイアウォールの効果が強化されます。
すべてのVPNサービスが安全とは限りません。信頼できるVPNサービスを選ぶことが重要です。
以下の記事ではテザリングにVPNを設定する方法をまとめました。
テザリング機能を必要時のみ有効にする
テザリング機能は、利用していない時は必ずオフにしておきましょう。オンにしたままにしておくと、他人に勝手に利用されたり、バッテリーを消耗したりするします。
信頼できるデバイスのみを接続する
テザリングに接続するデバイスは、信頼できるものだけにしましょう。不特定多数のユーザーが利用できるデバイスは、マルウェアに感染している可能性があります。テザリングに接続すると、マルウェアがスマートフォンに感染し、個人情報や端末情報が漏洩する場合があります。
SNSの乗っ取りも簡単にされてしまうので注意が必要です。
Wi-Fiテザリングのメリットとデメリット
メリット１
手軽にインターネット接続できる
Wi-Fiテザリングは、スマートフォンをWi-Fiアクセスポイントに変換することで、パソコンやタブレットなどの機器をインターネットに接続できる機能です。電源とWi-Fiさえあれば、契約手続きや設定などのわずらわしい作業なしで、すぐにインターネットを利用できます。
外出先やカフェなど、Wi-Fi環境のない場所でも気軽にネットサーフィンや動画視聴を楽しめるのが魅力です。
メリット２
追加料金なしで利用できる
多くの携帯電話会社では、テザリング機能を無料で提供しています。月額料金プランに含まれているデータ容量を利用してインターネットに接続できるので、追加料金を支払う必要はありません。
ただし、データ容量を使い切ってしまうと通信速度が制限されたり、利用できなくなったりするので注意が必要です。
メリット３
持ち運びに便利
Wi-Fiテザリングは、スマートフォンがあれば利用できるので、専用の機器を持ち運ぶ必要がありません。スマートフォンは常に持ち歩いていることが多いので、場所を選ばずにインターネットを利用できます。また、ケーブル接続の必要がないため、配線のわずらわしさもなく、すっきりとした環境で作業できます。
デメリット１
バッテリーの消耗が早い
テザリング中は、通常のデータ通信に加えて、Wi-Fi電波の発信も行うため、バッテリーにかかる負担が大きくなります。長時間のテザリングは、スマートフォンのバッテリー切れにつながる可能性があるので、注意が必要です。
万が一、電池が切れた時のためにモバイルバッテリを準備しておくと安心です。
デメリット２
通信速度が遅くなる場合がある
Wi-Fiテザリングの通信速度は、スマートフォンの電波状況や利用状況によって変化します。電波状況が悪い場所では、通信速度が遅くなり、動画視聴やオンラインゲームなどが快適に利用できない場合があります。
また、同時に複数の機器を接続している場合にも、通信速度が低下する可能性があります。
デメリット３
データ通信量を消費する
Wi-Fiテザリングを利用すると、スマートフォンのデータ通信量を消費します。動画視聴やファイルダウンロードなど、データ通信量を多く使用する場合は、すぐにデータ通信量の制限に達してしまいます。
データ通信量の少ないプランを利用している場合は、データ通信無制限のプランに変更するか、Wi-Fiルーターなどの別途の通信手段を用意する必要があります。無制限プランは楽天モバイルが安くて速いのでおすすめです。
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